machinist

マシニスト

監督 ブラッドアンダーソン
主演 クリスチャンベール


機械工の男。トレバー。

がりがりに痩せているまるで骸骨。

1年間眠ることができていないインソムニア。

彼の前にアイバンという工場の名簿に載っていない男が現れる。

アイバンの出現から、トレバーは自身の不眠の原因を知っていくというストーリー。

名作。

クリスチャンベールは本物だ。

彼はソウルとスピリットを併せ持つ稀有な俳優である。

アメリカンサイコという駄作で着せられたくそ俳優としての汚名を返上している。

スクリーンに映し出される撮影時54キロというベールの身体は衝撃的。

その体はいっぱいのかけそばがすでに都市伝説と化し

食いたければいくらでも食えるこのファットなご時勢に徹底的に食わないという行為を貫いたことを物語っている。

強靭な意志のあらわれ。

この映画が名作であるのは、全編を通して映し出されるクリスチャンベールの贅肉のない極限的肉体が映像に収められていることに尽きる。

この体が働き、笑い、怒り、叫ぶ。

煙草を吸い、酒を飲み、ファックし、

走り、転び、車にひかれ、逃亡する。

ブレーキが壊れることがわかっているが、いつ壊れるかわからないオンボロな車が給油をしないままアクセル踏んでる。

それを見てる感覚。

破綻を内包したスリルと不気味さ。

狂気的なまでのストイシズムの勝利。

快。


なぜトレバーは食うことを拒んでいるのか。

眠りを拒むのか。

食を拒み眠りを拒むその理由は。

冷蔵庫に記されたメモが判明する時にクライマックスが訪れる。

罪がトレバーを苛む。

罪に裁かれること決めたときようやく眠りが訪れる。

幻影は彼自身。

アイバンは痩せる前のトレバーを投影している。

悪魔の姿をした天使。

悪魔を殺すことで魂は救われない。

天使に見送られ拘置所へ出頭する。

拘置所の中で渇望する眠りが訪れる。

全編をモノトーンに近づけた色彩の中で、

赤い車を際立たせている。

血の色。

車のナンバーを知るためにひき逃げにあう。

ひき逃げをされることでひき逃げ犯である自分に立ち返る。


深夜のエアポートでパイとコーヒーを頼む。

マリアの差し出す食事に手を出さずチップを置いて去る。

その姿は慈しみに満ち美しく、神々しくもある。

彼女の許しを請う贖罪意識が生みだした華麗な希望的幻覚。

深夜1時30分の悲劇。

KILLER

それがトレバーの罪の名。




映像美。

とてもいい。

色彩の抑制が、生命力の欠けたマシニスト的世界を演出、それが狂気を際立たせる。

ハリウッド映画的でない雰囲気はスペインで作られたとのこと。


これを書いてる人間は身長176で60ない。

比較的痩身の部類に入ると思われるが、

クリスチャンベールは身長182ある。

この身長で体重54という数字はちょっと想像できない。

本人は45まで落としたかったそうだ。

とんでもない。













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