Funny Game U.S.A.

Funny Game USA

監督 ミヒャエル・ハネケ
脚本 
出演 ナオミ・ワッツ ティム・ロス マイケル・ピット

バケーションを別荘で過ごすためヨットを牽引する車。

夫婦と少年。3人家族。

避暑地には顔見知りの家族がいる。

彼らに訪れを知らせるも様子がおかしい。

彼らは見知らぬ人間とともにいた。

卵を分けてほしいと青年が夫婦の別荘を訪ねてくる。

卵を2度失う彼ら。

慇懃無礼な対応にいら立つ妻。

モバイルを水に落とし、番犬を殺す。

夫の足をゴルフクラブで折る。

巧妙に家族を支配下においていく二人の男。

青年二人の手によって夫婦のバケーションが血で染まるという話。

くそ。

導入部はいい。

夫婦がクラシックの曲名を当てあうというゲーム。

ファニーな楽しい遊びだ。

こんなファニーなゲームが続く平和なムービーならいいなという個人的な期待は、タイトルロールとともに流れるスラッシュ・デスコアノイズによってあっさり裏切られる。

ああ、この人達ヒサンな目に合うんだね。

という暗黙の了解。

この作品のハイライトは妻が青年の一人を射殺するシーンを巻き戻してなかったことにするシ-ン。

主犯の青年がテレビだかビデオだかのリモコンを押すとスクリーンの時間が巻き戻される。

巻き戻された映像は彼女が行動する前のシーンから始まり、彼女の行動は未然に防がれる。

このトリックは、

主犯の青年がスクリーン越しに観客に投げかける短い問いが2度あるが、

それが伏線になっている。

辱めを受け、息子を殺され、命を失うというデッドエンドで自らを奮い立たせた妻の尊厳ある行動。

それが無になる。

時間巻き戻しという禁じ手によって

以後の演者の行為のすべての意味が喪失する。

妻が逃亡の際、助けを求めるのに

2台目の車を選択し失敗する。

この演出はいい。

巨匠と言われているらしいこの監督は、

ここで巻き戻しを使わず、

クライマックスにおいて、

観るものがそれをやられたら最も抵抗を感じるであろう局面において、

意図的に禁じ手を使用し、

クライマックスを一気にアンチクライマックスへ転換させる。

禁じ手の効果が最大限に発揮されるシーンで装置が発動する。

このジジイが、

無力感と喪失感の前に立ちすくむ観客を想像し

一人悦に入っている姿が目に浮かぶ。

やな野郎。

フィクションを自在に操れる自分の力を見せつけているだけ。

セリフは観客を意識しているものの実は観客を愚弄しているだけの気持ちの悪い自己満作品。

この作品の評価できる点があるとすれば、

ナオミワッツの演技。

涙を流しながら

"take off your cloth honny"

という夫の言葉に、彼女は

目を伏せ、ほほを濡らし、鼻水を垂らしながら

ワンピースを脱ぎ、ショーツを落とす。

絶望に青ざめ打ち震える

そのサディスティックな美しさに息を呑む。

ショットは肩から上、裸身は映らない。

この映画を見るために足を運んだワッツファンの3人に一人は、彼女のフルヌードを拝めずに席を立っただろう。

遠目からのワンショットでも与えれば彼らは溜飲を下げたのかもしれない。

ブルーのワンピース。

白いショーツにベージュのブラというカラーは正解。

だが逃亡時に着せたダサいニットは台無し。


夫の足の骨密度の乏しさ。

夫婦の男たちへの従順さ。

夫が脱げよハニーと言うことの安易さ。

死んだ息子への反応の希薄さ。

リアリティーの充足はさほどでもない。


陰惨なシーンがないことを誇るなら、

背筋が寒くなるほどの美しい滅びを見せてくださいよ。巨匠さん。

まぁ、まったく好みの映画ではないが、

いろいろ思わせるという点で問題提起作ではあるんだな。

この監督が42年のナチスドイツに命を授かっていることは明らかにこの人の作品に影響を及ぼしているという気はする。













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4連勤夜勤。

仕入れ。

クレカ全滅。

売上引き落とし期待なし。

自己出品1件。

被告2件目。

今日は小金を抱いて跳ぶ。

日々楽しき。





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