アンドロジニーな夜



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超人的なステップはもはや重力の掟を破いている。

殻に残された傷跡は積み重ねた鍛錬を物語っていた。

特殊なマイクロフォンを近づけると彼の心象が声となる。


・・・なめんじゃないわよ。


どうやら雌らしい。

再度マイクを向ける。


・・・ナメクジと間違えんなよ。


と今度は雄が答えた。

装置の不具合などではなかった。

両性具有。

この世界には二つの性別が一個体の中で同居している種があるのだ。

偉大なこの世界の神秘の深淵なことといったら底が抜けていて感興が尽きる不安は常に杞憂に終わる。

ただマイクロフォンのデータベースにアンドロジニー用に解析した数値を新規に入力する必要がある。

どうやら今夜はアンドロジニーと夜なべすることになりそうだ。


それはいったいどんな夜だよ。

と誰かが言ったが聞こえないふりをする他どうしようもなかった。


やれやれ。











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